2010年8月22日日曜日

タイの田舎の学校の先生 29




生徒たち⑩

ここクンユアムから、日本の子供のことばかり書いているのは、外から見ると内側のことがよく見えるからでしょう。中にいると、その中のことは全く見えてきません。比較の対象がないと、物事は客観的には見えないからでしょう。美味しいご飯は、「不味いもの」を食べたことがあるからこそ、「美味しい」と感じるのです。私が子供だった頃は、ここクンユアムにいる子供なんて珍しくもなく、それこそ普通の存在だったような気がします。高度成長期を経て、日本が豊かになっていくにつれて、そういった昔の良い部分は自然に削り取られていったのでしょう。何処の国でも同じ事が言えそうです。「失われた故郷」とはこういった、文明から取り残されたような僻地にしか存在しえない気がします。ここの子供たちは、そんなことは一切知らずに純粋なままで接してくれます。それが、私にはたまらない魅力に写ります。

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