生徒たち⑧
私がここの生徒にのめり込んでしまう大きな理由は、今の日本の若者たちに絶望しているからだと思います。何かの本で読みましたが、今の若者は「人を見下す」ことで自我を保とうとします。出来もしないことを、さも出来るように主張して、「出来ないのでは無く、やろうと思えば出来るのだが、あえてやらないのだ」と言う風に論理をすり替えようとします。自己主張のみが強くなった結果、主張すべき自己がないまま主張したい為に、こういったことになるようです。また、自分の成績が低ければ、これは不幸な偶然の結果あるいは、自分の能力ではなく他人のせいであると主張するようです。勉強できないのは、親のせいであり、同級生のせいであり、生まれ育った環境のせいであるわけです。彼らの中には「けっして自分の能力が低いわけはない。」と言う論理があります。ここに来てみれば判りますが、「これ以上学習環境が整っていないところもないだろう」と言うくらいここは厳しい土地ですが、立派な成績の子供が沢山います。人のせいにしても成績は上がりません。
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